昭和ひとけた京育ち・切り絵のすばらしさを貴方に

私の好きな漫画作家に「木村仁」(木村祥刀)という方がいます。

余り有名ではないかもしれませんが、とにかく私はその方の優しく美しい筆致が大好きです。

私が木村仁氏の存在を知ったのは何とお恥ずかしながら成人漫画なのですが、

なぜか全く絵がいやらしくない!というか美しいんですよね・・・

逆に全く性的興奮などもよおさないその筆致は芸術的ですらあるようでしたから。

どうして調べてみるとなるほど木村氏は昭和30~40年代は少女漫画の旗手だったようでした。

どうりで成人漫画でもその女性を描く筆致はどこか子供への優しさを秘めていた訳です。

その後一層調べていくと木村氏が「昭和ひとけた京育ち」という、

昭和を舞台にした子供文化を一連のシリーズとして版画という題材をもって発表していたことも知りました。

ホームページで拝見したその版画の素晴らしいことと言ったらもう筆舌に尽くしがたいものがあったのです。

その版画の幾つかを探して探してやっと入手することが出来ました。👇

どうですか?好き嫌いもあるとは思いますが、画面の隅々まで手抜きのない「生き生きとした」画風。

まさに一瞬を版画にココまで出来るのか!?と思いましたね。

これは「はじめに」という題材のようです。

ずっと眺めていればいるほど「温かく・懐かしく」なってきませんか?

「何してんの?」と画面の子供に声を掛けてあげたくなりますねえ・・・

同封されていた説明書です

木村氏の「人となり」が伝わるような文面ですね。

 

少しアップでご覧ください!(^^)!

木村氏は必ず動物も一緒に描いていますが、それだけ子供の日常と動物は切り離せないものだったのでしょう。

犬の背中が素晴らしい!気持ちよさそうな猫の寝顔も素晴らしい!ですね。

 

もう1枚👇

これはまさに京都の夕景かもしれません。

「友禅染」という題名の版画です。

愛おしい三姉妹の後ろ姿と、やはりこれも犬の後ろ姿が何とも・・・

人間の生活とどれだけ一体だったかを物語るような「後ろ姿」とは思いませんか?

 

チョットボケちゃいましたけどアップで。

それと👇は同封の説明書です。

文章を噛みしめてまた画面に目を移すと、

「この一瞬の時代にタイムスリップしたいなあ・・・」と思わずにはいられません。

また画面の三姉妹に「危ないからもうそろそろ帰った方がいいよ」と声を掛けてみたくなります。

でもこの頃は子どもの危険も断然少なくてのびのび過ごせたでしょうから、

それも余計な心配だったのかもしれませんね。(^_^;)

漫画も含めて木村氏の描いた資料をこれからもじっくりと収集していきたいと思いますので、

まとまったらまた公開させて頂きますね。