小金井市・W様邸・白蟻防除工事
さて前回の予告通り、W様邸の実際の「白蟻駆除」施工例をご報告いたします。
私たちの仕事はたいてい1日~かかっても2日程度のものですが、その仕事の性質からも、
作業自体が大変汚れることもある為、その準備と後片付けに非常に時間を要します。
上記のように駐車場に空きスペースがあれば、大変効率的な作業が可能となり有難いのですが、
日本の住宅事情としてはそうした御宅は決して多くはありません。
そして特に時間がかかるのが、前回の調査で触れた「養生」です。
これはどこまで手間をかけるか「業者」ごとの考え方で別れるところです。
確かに時間やコスト的には「養生」を簡易的に済ませれば、効率的かもしれません。
私の経験で恐縮ですが、私たちもキッチリ養生することで「思う存分業務に専念出来」、
「片づけも楽」です。
またお客様自身も「馴れない人間」による工事に神経を使う必要がなくなる」と思います。
ただしそこは「工事会社」の考え方なので、わたしが唯一絶対の正解とは思いません。
現在の「白蟻防除工事」は「日本白蟻協会」の認定する各仕様に沿って行うことが基準とされています。
以下順次触れますが、大きく分けると①床下からの「土壌」(または土間コンクリート)、「床組み木部」への薬剤散布と、
②床下は無いが、外周基礎上の土台への外部壁面より薬剤を注入するという二つの行程が必要とされます。
しかし昨今は「調査」を依頼され、赴き始めて困惑し悩む現場が多いのです。
例えば「もともと床下空間の高さが低く人間の侵入が不可能」などが点検的な例です。
みなさんの御宅の「点検口」はどこにありますか?
床下は人がもぐれそうですか?
確認してみてください。
さて上記が「壁面処理」と言って、「床下」の無い範囲や潜れない範囲の土台等に薬剤を噴霧する方法です。
なるべく「薬剤」は「目視」しながらの直接噴霧が当然「精度」が高いので、
「壁面処理」を止むを得ない場合を除いて、その範囲は少ないに越したことはありません。
こうした玄関ドアや勝手口ドアの木製額縁などは直接地面に接していることが殆どの為、
腐り易く、典型的な「白蟻被害」の温床になります。
また近年減りつつありますが、タイルの在来浴室なども床下に潜れない為、
(床下が無い)浴室タイル目地よりドリルで穿孔して薬剤を壁面内~土台へ注入散布します。
これは土壌への散布中の後継です。
一般的には1㎡あたりの薬剤散布量は3㍑と言われますから1坪では約10㍑近くを散布することになります。
現在一部の中には「薬剤散布」での防除による「人的被害」や「環境被害」を唱える方もおられますが、
「防除(予防)ならともかく、目の前の「白蟻生息」や「被害」の進行を止めるのに、
それ以上の有効な手段や方法はまだまだ現実的ではないでしょう。
今後も皆無とは言い切れませんが、私がこの仕事の関わりの中で「気分が悪くなった」とか薬剤散布が原因で、
「治療」や「通院」の必要に迫られたという方はまだいらっしゃいません。
そして床を支える「床組」木部への散布になります。
これは特に被害の生じやすい玄関「土留め板」と土台への散布ですね。
この部分を狙って白蟻が侵入してくるのです。
新築よりもリフォームで大事に永く住み続ける時代だからこそ、
内装と同様とまではいかにまでもせめて外壁と同じくらいに、
「見えない床下」にも関心を持っていただきたいものですね。
「見えない」かもしれませんが、ご自身の「健康診断」と思って「信用」に値する業者に丁寧に見てもらうことです。
なにもやみくもに「工事」をする必要もないケースも多いです。
「健康診断」も治療を必要としないが、「経過観察」で済むことも多いでしょう?
まずが現状を知ることです。
次回は「白蟻はあなたのお庭にいます」というレポートです。