夏休みはロードショーで・・・②トラック野郎シリーズ
「トラック野郎」・・・この響き・・・
特に「野郎」とはまさに、ボンクラ男への賛歌みたいなワードでとても惹かれます。
思えば子供のころから、「ちゃりんこ野郎」、「釣りバカ」、「空手バカ」、「バイク野郎」・・・等々・・・
気取った男とは裏腹の、一途で一生懸命な「男子」への形容詞はなんだか「温かみ」がありますね。
この「トラック野郎」もそんな映画ではあります。
「男はつらいよ」もそうでした。
子供のころは「なんかダサいおじさんが出てくる映画」という印象。
でも「食わず嫌い」はいけませんね。
学生時代になって「親父」の苦労がわかるようになって、
夢中な先輩に乗せられて「観て」みたらこの通り・・はまってしまったのでした・・・
殆ど「松竹」のこの「男はつらいよ」とベースはそっくりでも、「マドンナ」、「不器用でオツムは弱いが、
人情に厚い主人公」、「魅力的な脇役」、「定住しない」等々・・・
ところがどっこい、「寅さん」がサッパリした「和定食」なら、
「トラック野郎」はまさにコテコテの「大盛りカツカレー」といった感じです。
今なら「ここまでやっちゃっていいの?」という下品なセリフや映像の数々・・・・
そうそう、まさにあの「8時だよ全員集合!」のドリフコントに涙とアクションのスパイスをどっさり入れて、
これでもか!って・・・そりゃおなか一杯になりますね。
その上、メカ好きの「男子」の心をわしづかみするのが、毎回趣向を凝らして登場する「一番星号」です。
「女性」にとってはただのトラックなんでしょうが、「男」にとっては「自分自身」なんだと思います。
これ、実写と同様のネオンが点灯し、エンジン音もスピーカーから流れる「ラジコン」なんですが
おもちゃとはいえ、よくできていますね。
同じように見えて毎回全く違う「トラック」のデコレーションが、「男心」をくすぐります。
とにかく「泥臭い」「バタ臭い」という、今では全く見られない、
見ることのできないタイプの「喜劇」(コメディではないこの響きが良いのです)を一度お勧めします。
これまた「奥さん」のツボにはまったらしく、
しばらく「男の旅は~一人旅~、女の道は帰り道~」と「一番星ブルース」を口ずさんでおりました。
「泣けて笑ってスカッとする」、元気があった時代の娯楽映画の王道です。
イップマンもそうでしたが、私も「トラック野郎」の「星桃次郎」のように「損得勘定」なんてくそくらえ!
「不器用」でも「自分に正直」にこれからも「生きていきたい」ものです。
最後はマジメでスミマセン。